特別調査編 2018.3.3 〜 4.5

▶ 日本冬虫夏草の会のMさんのお誘いで、同会Oさんも同行でツチダンゴに寄生する冬虫夏草菌の調査に出かけました。

前月に3種の地下生菌を見つけられたツボへ向かい、斜面の落ち葉を熊手でかき分けほんの少し飛び出た薄黄色の子実体(の芽)を探します。
!!!なかなかみつからない!!!
で、結局Mさんの発見した子実体の列を皆で撮影し、採取した個体は分けて持ち帰って追培することになりました。
   

 

 

次の写真はまだ冬虫夏草菌に感染していないツチダンゴのグレバ(アンコの部分)を検鏡したもので、胞子(x1000)です。スケールの最小目盛り1つがが約1.26μmです。メルツァー試薬を使用しているので背景が薄黄色ですが、メルツァー反応は見受けられません。
   

3/3採取の個体を追培し3/31の状況

   

なんと表面が真っ黒になってしまったではありませんか.
Mさんのお話ではツチダンゴに寄生したサキブトタマヤドリタケにさらに寄生したMelanosporaというカビの仲間かもしれないとのことです。

そこで検鏡の写真 4/5

さて、全体を掘り上げ、縦に切って断面を見て、顕微鏡で黒い頭部の皮を見ようとしました。
ところが先日まで乾いてかたくなりかけていなのに、今日見るとブヨブヨで全体がぬれているようでした。
なんとかバラさないようカッターで二つに切断。どうもグロテスクな断面、驚くことに頭部には熟した子嚢果が見えます。
しかし表面の黒いカビと思われる物体から紡錘形の胞子は見当たりません。これを確認したかったのに・・・
  びちょびちょです。全体が・・・

子嚢果の口(右側)でなく袋が破れたので、そこから胞子が大量流出です。 

  繋がっていた胞子もすぐバラバラになってます

ちなみに掘り上げる時にナント!! イトミミズが出てくるじゃありませんか。ミミズが団子食ってた?!
       

はじめは球形だった団子もしずく形に痩せていまして、中身がスカスカになってきています。