きのこ農閑期のゴールデンウィーク前後ですから・・・

乾燥が続くためキノコは少ない・・・

キノコは10種、昨月よりさらに少なく絶好の深く研究する機会!

フィールドにて

なかなか、開園区域の外まで行かなければきのこに出会えない・・・

ニセヒメチチタケ、左から、少し乳の出た裏側、多くが散生している状態、まだ新鮮な繊維をまとったような姿、表も裏もわかるように撮影しました。
       
ニセイヒメチチタケは普通のチチタケよりだいぶ小さく傘に厚みがなく、やや赤みが強いが褐色で地味なため、地面と区別しづらく見つけにくい。1つ見つけると周りの落ち葉を除くと次々に見つかることが多い。
幼時は傘の中央が小さく尖るように突き出ているがすぐに中央が凹んだ形に傘が開く。
乾燥するとカレー臭のするものもあるという。カレー臭(あるいはメープルシロップ臭)で有名なニオイワチチタケは明瞭な輪模様があり区別できる。
食毒不明。

観察中の風景
 


オオシトネタケ
 
フクロシトネタケかと思われたが、検鏡の結果胞子の形からオオシトネタケと判別した。肉眼ではちょっと同定不可。下の顕微鏡観察のところを参照してください。


ベニタケの一種
一見、季節柄カラムラサキハツかと思ったが、ヒダがクリーム色であり、ヨヘイジの仲間、紫色が印象的な小さいベニタケなのでコヨヘイジと考えられる。
あとの2枚の写真は帰宅後の物撮り写真です。
   
   

さて、そんなこんなで奥の池の辺りにエビネが開花しているのに遭遇。
幽美なひとこまです。
   

帰路で見つけたフウセンタケの一種。春にも気温の下がる一瞬に発生するフウセンタケ。本当にフウセンタケの同定は難しいが、Iとう氏からマルミノフウセンタケに似ているの一言があり、帰宅して調べることに。
       
下の顕微鏡観察の記事をごらんください。

里山情報館に戻って

同定台のキノコ
 

顕微鏡観察

オオシトネタケ_Discina parma かフクロシトネタケ_Discina perlataか?
先に記述した、オオシトネタケの胞子。3番目は側糸。
     
胞子は楕円体の周りに一見棘のような突起が多数取り巻き、それらをむずぶ脈のような模様が見えます。両端には突起が複数突き出ているように見えます。
フクロシトネタケの場合は両端に1つずつ大きな突起があり、胞子全体は細かいイボに覆われているそうです。(北陸図鑑など)
なお、スイス図鑑の胞子の図では、網目の脈状の隆起や突起は描かれていません。平滑な胞子に網目の模様のみ描かれています。


フウセンタケの一種の同定。
肉眼的にマルミノフウセンタケでないかというフィールドでのお話を確認。ハイムラサキフウセンタケも似ているとのことで胞子が丸いかのぞいてみました、、、、が。
   
フウセンタケ属の胞子の表面がザラザラという特徴は確認!しかしマルミノと呼称されているが球形ではなく、やや長い。
そこで、胞子の大きさを測定
5.8x7.4
5.8x7.5
5.9x7.3
6.3x7.5
5.4x6.5
5.9x6.9
6.3x7.6
6.1x7.5
6.1x7.6
6.0x7.5
6.1x7.5
平均6.0x7.3 μm
範囲5.3〜6.3 x 6.5~7.6 μm
よく似たハイムラサキフウセンタケは7x8μmともっと大きい。
したがってマルミノフウセンタケと判断しました。
なお側糸の特徴はいずれも棍棒状で隔壁があるとのことで2種の判別には使えませんでした。

採取、観察されたキノコのリスト

メダケ赤衣病菌 奥の山菜畑
ウラベニガサ ?
コヨヘイジ 竹林ホダ場下流
シトネタケの仲間 竹林ホダ場下手
ウラスジチャワンタケ 新倉庫前
ニセヒメチチタケ せせらぎの道上の崖
クジラタケ ?
カラムラサキハツ 竹林ホダ場
ヌメリツバタケモドキ かしの小道下手
マルミノフウセンタケ 紅葉谷崖