寒い冬は新しい道を行く

木にしがみつき、藪をこいで新境地に立つ


フィールドにて


冬の寒さの厳しい藍那ですが、林内は風が弱まって少しはまし。木々の葉が落ちて見通しがやや良くなったこの時期に新しい観察路を見つけたいと、無謀にも藪の向こうを目指します。

左から、ウチワタケ裏面、同左、ウチワタケ表面、同左
団扇の持ち手のように短い柄があるのが特徴。表面は褐色の輪模様で周縁部が白い
       

左から、オオミノコフキタケ、同左、同左、同左裏面
3年ほど前までコフキサルノコシカケとしていた俗に猿の腰掛という硬質菌。コフキサルノコシカケは高山性で神戸近郊のは別種でありオオミノコフキタケと名付けられたものとのこと。断面を比較すると判別できるというが簡単ではない。
       

左から、スミレウロコタケ、不明菌、ヒイロタケ、同左
不明菌は饅頭形の傘に細い柄、ヒダが紅色を帯び、傘に細かい条線がある。
ヒイロタケとヒイラギを撮ったのは色合いがX’masだったから。
       


里山情報館に戻って

同定台のキノコ

左から、フユノウスキサラタケ、同左、ホウロクタケ、同左
フユノウスキサラタケはこれまで和名がなく クロロスプレニウム・クロラとしていた。
       

左から、不明菌、同左、ウチワタケ、同左
       

左から、ニガクリタケ、同左、ヌメリツバタケモドキ、同左
       

左から、オオミノコフキタケ、その断面、コナヨタケ、ネンドタケ?
       

検証キノコ新図鑑によると
コフキサルノコシカケ
・肉、管孔層の色:褐色
・殻皮:薄くて爪で押せば凹む
・肉層内の殻質層:明らかな層を形成しない
・管孔層の境界肉層:薄い境界層あり
オオミノコフキタケ
・肉、管孔層の色:濃紫褐色
・殻皮:厚くて爪で押しても凹まない
・肉層内の殻質層:明らかな層を形成する
・管孔層の境界肉層:形成しない場合が多い
となっているが、
今回採取したものは
・肉、管孔層の色:褐色
・殻皮:厚くて爪で押しても凹まない
・肉層内の殻質層:明らかな層を形成する
・管孔層の境界肉層:形成されていない
となっており、両者の中間型である。
この図鑑に記載があるように本種は多数の類似種が混在しているようである。

左から、ヌメリガサの仲間、同左、カイガラタケ、同左
       

左から、クロガネモチの葉につく菌、同左、アシナガタケ、同左
       


採取、観察されたキノコのリスト

アシナガタケ /クヌギタケ科_クヌギタケ属
ウチワタケ /タマチョレイタケ科_ツヤウチワタケ属
オオミノコフキタケ /タマチョレイタケ科_マンネンタケ属
カイガラタケ /タマチョレイタケ科_カイガラタケ属
クロガネモチに着く菌 /不明
コナヨタケ /ナヨタケ科_ナヨタケ属
ニガクリタケ /モエギタケ科_ニガクリタケ属
ヌメリツバタケモドキ /タマバリタケ科_ヌメリツバタケ属
ヌメリガサ科の一種? /ヌメリガサ科_オトメノカサ属?
ヒイロタケ /タマチョレイタケ科_シュタケ属
フユノウスキサラタケ /ハイイロチャワンタケ科_クロロスプレニウム属
ホウロクタケ /ツガサルノコシカケ科_ホウロクタケ属
不明菌(ヒダが紅色を帯び、傘に細かい条線があるもホウライタケ型)
同定 伊藤、中嶋、山本
写真 中嶋