雨が降ったのですが、乾燥気味です。


あいな初の「アミガサタケ」!!!


フィールドにて

何といっても、あいなでは初のアミガサタケ発見。
しかも、修法が原などでよく見られるトガリアミガサタケ(Black Morel)ではなく、本来のアミガサタケのようだ。

探索のようす。
       
探索のようす。
     
左から、マンジュウドロホコリの古いの、オオシトネタケ、ヒカゲタケ?、不明小盤菌
       
左から、フサヒメホウキタケ、同左、アミガサタケ、同左
       
左から、アミガサタケを夢中で撮影!、ウラベニガサ、アマガエル
     

同定台のキノコ

左から、ヒカゲタケ?、同左、キコガサタケ、フウセンタケsp.
       
ヒカゲタケ:柄が褐色で粉を吹いたよう。ひだは褐色〜暗灰褐色で縁が白い。傘表面はつやがあってやや中丘。
これらの特徴からヒカゲタケを仮同定
左から、フウセンタケsp.、ウラベニガサ、ニセヒメチチタケ?、同左
       
ニセヒメチチタケは、傘の色がやや鮮やかで橙を帯びており、これまで見たニセヒメチチタケのようなエビ茶色で湿っぽい傘表面と異なるため”?”を付けた。
また、「ヒメチチタケ」の特徴についてはまだ文献に十分当たれていない。
左から、オオシトネタケ、同左、フジイロチャワンタケモドキ、カワリハツ?
       
現地ではフクロシトネタケ、オオチャワンタケとしていたが、検鏡すると下記のように別種であった。
検鏡記事を参照.
左から、カワリハツ?、コヨヘイジ、同左、アミガサタケ
       
左から、コンイロイッポンシメジの仲間、同左、チャワンタケの仲間、フサヒメホウキタケ
       
左から、キクラゲ、クジラタケ、同左、
     

検鏡写真

以下はいずれも400倍での検鏡。
左から、オオシトネタケの胞子、同左、オオシトネタケの側糸
     
フクロシトネタケは楕円形の両端にくちばし状突起があるそうで、複数のトゲのようなものが見えるのはオオシトネタケである。
また、表面に多角形の模様が見られる点もオオシトネタケである。
いくつかの図鑑で胞子の検鏡図を見たが、あまり正確でないので判断を間違えそうになった。新菌類図鑑IIの図が最も判りやすく描かれている。

左から、フジイロチャワンタケモドキの胞子、同子嚢と胞子、同側糸
     

オオチャワンタケと現地で付箋を付けたが、胞子は全体が細かいイボのような凹凸で覆われており、フジイロチャワンタケモドキの胞子検鏡図に合致した。
オオチャワンタケの胞子は平滑。


不明の小盤菌は、検鏡の結果、細かいイボ状のもので胞子全体が覆われたように見え、子嚢などがメルツァー試薬で青変するためアミロイドであること、側糸が細く均一な太さで根元近くで分岐があることが見てとれた。スイス図鑑で符合するものとしては子実体の色や形状も合わせてみるとpeziza(チャワンタケ属)と思われる。
   

採取、観察されたキノコのリスト

種名属名(新/旧)科名(新/旧)
アミガサタケアミガサタケ属アミガサタケ科
ウラベニガサウラベニガサ属ウラベニガサ科
エゴノキタケチャミダレアミタケ属タマチョレイタケ科
オオシトネタケシャグマアミガサタケ属フクロシトネタケ科
カワラタケシロアミタケ属タコウキン科
カワリハツベニタケ属ベニタケ科
キクラゲキクラゲ属キクラゲ科
キコガサタケコガサタケ属オキナタケ科
クジラタケシロアミタケ属タコウキン科
クロコブタケアカコブタケ属クロサイワイタケ科
コヨヘイジ近縁種ベニタケ属ベニタケ科
コンイロイッポンシメジの仲間イッポンシメジ属イッポンシメジ科
シハイタケシハイタケ属タコウキン科
チチタケ属の一種(ヒメチチタケ類似種)チチタケ属ベニタケ科
チャワンタケの仲間チャワンタケ属チャワンタケ科
ネンドタケモドキサビアナタケ属タバコウロコタケ科
ヒイロタケシュタケ属タコウキン科
ヒカゲタケヒカゲタケ属オキナタケ科
フウセンタケ属の一種フウセンタケ属フウセンタケ科
フサヒメホウキタケフサヒメホウキタケ属フサヒメホウキタケ科
フジイロチャワンタケモドキチャワンタケ属チャワンタケ科

同定 中嶋、伊藤、難波
写真 中嶋、難波