秋のきのこ観察合宿 in 兵庫県北部

200810月4〜5日

 

 

微笑ましい宴会風景の1コマ

 

 

 

 

08年 秋の合宿

土屋規麻太

 

ヤマブシタケ

104日〜5日宿泊地を波賀町のグリーンハウス道の丘にとり、合宿をおこないました。

ここ1週間ほど雨がなく少し心配もあるなか、三室方面と氷ノ山方面の2班に分かれてきのこ観察に。

氷ノ山はあいかわらずの悪路。尖った石を避けながら落ちてきそうな石にも注意をはらいつつ、ひっしの運転で林道をのぼっていくとやがて目的の場所に。

 

身支度をし山に入るとさっそく足元にカノシタ見つける。30メートルほど進んだところに倒れたドラム缶があったので近づいて見てみると、それは熊を捕るための捕獲罠だったので「熊がいるんだな」と少し緊張した。

「あったよ!」と離れたところから呼ぶ声がするので行ってみると立ち木に白いフサ状のきのこ“ヤマブシタケ”が生えていた。大きくはなかったがそのまるっこさがなんとも可愛い。

 

チャワンタケの仲間

やがて樹種がブナ科のものから唐松に変わると、ちらほらとハナイグチが現れたが少し大きくなり過ぎている。チャワンタケの仲間の良い被写体があったがキノコの種類は少なかった。

 

昼食を摂ったあと次のブナ林へ移動したがここも乾燥がひどくシイタケを見るのみ。それでもブナの森は心を癒してくれる。

 

グリーンハウスでの同定会では三室班もキノコは少なかったとのことで自然相手の遊びは思ったようにはいかないものだと思ってしまう。

 

 

 

 

2008年度 兵庫きのこ研究会 秋のキノコ観察合宿

中嶋知之

 

私たち1班は、少なくとも2班よりはゆっくりの集合時刻で、この合宿をのんびり楽しみたいという気持ちを表わしていた。

 千種のAコープ(JAハリマAコープちくさ)に午前十時には全員集合!早速に千種のキャンプ場を目指す。車613人の行進。

 都会に比べれば涼しいが、寒くはなく過ごしやすいこの季節。

 

ヌメリスギタケモドキ

キノコはというと、雨の後というのに、これまでの降水が少なかったのか、乾きぎみの大地からはほとんどキノコ自体が無く、今はもう見向きもされないスギヒラタケなどが逆に美しく咲き誇っているようだ。

 湿った谷筋には小盤菌なども散見されるが、全体に小型菌を思いきり顔を地面に垂れて探すこと1時間半、ようやくここまで来た甲斐のあったキノコ発見の朗報に皆が集う。

 

ヌメリスギタケモドキの登場である。

まだ開けきってない孤高の1本を写真に収めて、再奮起。

 

そろそろ昼食とスキー場の宿舎前でおにぎりなどほうばる。聞けばアルパチーノ氏は、昨夜からすでにりんご園に宿泊し、キノコ狩りが急に栗拾いとなって、その栗を使ったクリごはんによるおにぎりを持参したとか。

 災い転じて福と成す底力を感じさせるおにぎりだった。

 

 午後は三室高原に移動し、二手に分かれて散策。

 ここもやはり少なかったが、オオキツネタケ、ヌメリイグチなどを採取した。

 休憩時には阪本氏の酸味の利いた冷凍ヤマモモが幸せを運ぶ。

 

 我々1班は、このあと買い物に波賀のAコープへ寄り、レジを打ち間違えて車に積んだ買い物をもう一度レジへ戻すなど、これがこれからの怒濤の始まりだった。

 

 宿に到着すると、皆が、我はどの小屋かと右往左往しており、不謹慎にも笑いそうになった。確かに地図が役に立たない。急峻な現地の地形と地図のひろびろとしたタッチが合ってないらしい。

 しかし、温泉と夕食は西地区の最大の腐心により、極めて心地よく、合宿の楽しみを味わうことができた。(世話人の我田引水?)

 懇親会は、やはりさんちゃんのランチキ進行と、傍らで顕微鏡を使ってキノコを観察するガチガチの硬派ぶりが渾然となって、皆満足、不満足の何が何やらわからない可笑しみの会となっていた。

夜の懇親会の様子

 

 空けて二日目は、楓香荘で記念写真のあと、国見の森へ三々五々集合し、雨の中にもかかわらず、いよいよ問題のモノレールに搭乗した。

 

ツノマタタケ

皆が「バブルの遺産」と肌で感じながら、でもこの急な山肌を歩いて登れんよな〜と思いつつ、雨に煙るパノラマを楽しんでいた。

 ときおり小鹿などが草を食む様子も見られ「シカ、シカ・・」と興奮したが、山上の鹿のフンの絨毯には辟易させられる結果となる。

ここでもキノコはさらに少なく、ツノマタタケなど十数種をかき集めて成果とした。

 

 いずれにしてもキノコに恵まれない合宿であったが、コテージ、温泉、モノレールなど色々なバリエーションがあったこの旅が、会員の親睦を深め、2000円のキャッシュバックで1万円で収まったのは、まず目出度し、目出度しというところであろうか。

 

 

 

 

兵庫キノコ研究会観察合宿2班の記録

関城良典

 

キノコ観察第2班は、朝8時30分、国道29号線沿いの道の駅、「はが」に集合しました。2班は、土屋号、山上号、岩崎号、柏堂号4台からなる総勢12名の構成です。私は、高速長田で山上さんに拾ってもらい山上号で参加しました。私は4月に東京に転勤になり、会の行事への参加は半年ぶりでしたので、道の駅「はが」で久しぶりに皆さんと再会し、とても懐かしく感じました。

 今回の観察地は氷ノ山です。山上さんはチョレイマイタケを見たい、岩崎さんはハナイグチを採りたいということで、氷ノ山に決まったようです。

 

ドロホコリの仲間

氷ノ山はご存じのとおりダートの連続で、自家用車ではちょっと入りづらい所ですので、柏堂号は林道に入ってすぐの空き地に置き、残り三台で頂上を目指しました。やはり予想通りダートはきつく、普通の乗用車では無理でした。

目的の場所は、林道の頂点からすこし下がった場所で、下草がなく、また勾配も比較的緩くて歩きやすい場所です。でもなかなかキノコが生えないんですよね。時期によってはヒメベニテングタケなどが観察できるんですけど。今回もキノコの発生はさびしい状態でした。

まずチョレイマイタケの発生場所に向かいました。この場所では、一昨年、昨年と連続して発生し、時期的にもちょうど今なので、非常に期待して行きましたが出ていませんでした。出ると3株ぐらいまとめて出るのですが、かけらもありません。気温など条件が微妙に違うのか、昨年で止まってしまったかどちらかでしょうね。残念!

次にハナイグチのあるカラマツ林へ向かいました。このカラマツ林は、林道から500mぐらい奥にあり林道から見えないので、いわば秘密の場所です。しかしこちらも残念。ぼちぼち生えているのですが、期待したほどではありませんでした。ここで昼時となったため、林道に戻ることとしましたが、期待はずれとはいえ平地では見つけにくいキノコも生えていて、観察会としては、まあまあではなかったでしょうか。見つけたキノコは、ヤマブシタケ、オオワライタケ、モエギタケ、チャナメツムタケ、クリタケ(?)、ハナビラタケ(腐りかけ)など。

アイシメジ

 

林道で昼食をとり、今度は車で少し下がった所にある斜面を探すこととなりました。この斜面は倒木が多いため、晩秋には倒木から発生するキノコがたくさんとれる場所です。但し有名な場所なので、その時期はいつも誰かが入っています。今回は時期が早いせいか先客はいませんでした。

 

シイタケ

キノコ観察(狩り)は、私の経験からですけと、1日に1回必ずクライマックスがやって来ます。今回もクライマックスはこの斜面でやってきました。

突然、上のほうから「おーい!、おーい!」と呼ぶ声。どうも柏堂さんのご主人みたいです。さらに「持てないから〜・・・!」

なんだろうと思いながら車に戻ると、しばらくして柏堂さんのご主人が両手にいっぱいシイタケを抱えて帰ってきました。さらに、持てない分はシャツの中に入れて。キノコ(狩り?)ってこういうことがあるんですね。わたしも最初にキノコに連れて行ってもらった時にこういう目に逢い、一発でキノコにはまってしまいました。柏堂さんはどうかな?

 

 

希望の若手をびびらせたシマヘビ

さて、宿舎に帰って荷物の整理をしていると、突然外で「ギャー!・+・÷・×!・・・」という意味不明の叫び声が上がりました。なんか女性の叫び声のようでもあるし、なんだろうと外に出ると大前君と山上さんが立っていました。声の主は大前君で、どうも山上さんに蛇を見せられたようです。希望の若手なんですから、あんまり驚ろかさないほうがいいですよ〜!

 

2日目は最近できた国見の森へ。但し雨。ここの見ものはなんて言っても急斜面を登るモノレールです。本当に急斜面なので、晴れていればもっと恐ろしく、またきれいな景色を堪能できたはずなんですが。

頂上では、それぞれ分かれて、キノコを探しましたが、雨もあり、不発に終わりました。

こうして、あっという間に楽しいキノコ合宿も終わりました。昼食後、皆さん名残惜しかったようですが、また来年を期して散会となりました。

 

 

 

 

 

2008104

 氷ノ山観察記録

天候:曇り
参加者:12
同定:47

 

和名

属名

科名

1

オオキツネタケ

キツネタケ属

キシメジ科

2

キツネタケ属の一種

キツネタケ属

キシメジ科

3

アイシメジ

キシメジ属

キシメジ科

4

スギヒラタケ

スギヒラタケ属

キシメジ科

5

アシナガタケ

クヌギタケ属

キシメジ科

6

チシオタケ

クヌギタケ属

キシメジ科

7

ヌメリツバタケモドキ

ツエタケ属

キシメジ科

8

コテングタケモドキ

テングタケ属

テングタケ科

9

アケボノドクツルタケ(仮)

テングタケ属

テングタケ科

10

ウラベニガサ

ウラベニガサ属

ウラベニガサ科

11

クロフチシカタケ

ウラベニガサ属

ウラベニガサ科

12

ナヨタケ属の一種

ナヨタケ属

ヒトヨタケ科

13

モエギタケ

モエギタケ属

モエギタケ科

14

クリタケ

クリタケ属

モエギタケ科

15

シロナメツムタケ

スギタケ属

モエギタケ科

16

チャナメツムタケ

スギタケ属

モエギタケ科

17

クリフウセンタケ

フウセンタケ属

フウセンタケ科

18

フウセンタケ属の一種

フウセンタケ属

フウセンタケ科

19

オオワライタケ

チャツムタケ属

フウセンタケ科

20

イッポンシメジ属の一種

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

21

ニワタケ

ヒダハタケ属

ヒダハタケ科

22

シロヌメリイグチ

ヌメリイグチ属

イグチ科

23

ハナイグチ

ヌメリイグチ属

イグチ科

24

ヤマイグチ

ヤマイグチ属

イグチ科

25

ベニナギナタタケ

ナギナタタケ属

シロソウメンタケ科

26

シロカノシタ

カノシタ属

カノシタ科

27

ヤマブシタケ

サンゴハリタケ属

サンゴハリタケ科

28

ツリガネタケ

ツリガネタケ属

サルノコシカケ科

29

マスタケ

マスタケ属

サルノコシカケ科

30

ツヤウチワタケ

ツヤウチワタケ属

サルノコシカケ科

31

アシグロタケ

タマチョレイタケ属

サルノコシカケ科

32

ヒイロタケ

シュタケ属

サルノコシカケ科

33

オシロイタケ

オシロイタケ属

サルノコシカケ科

34

シロカイメンタケ

オシロイタケ属

サルノコシカケ科

35

ホウロクタケ

ホウロクタケ属

サルノコシカケ科

36

コフキサルノコシカケ

マンネンタケ属

マンネンタケ科

37

ホコリタケ

ホコリタケ属

ホコリタケ科

38

ホコリタケ属の一種

ホコリタケ属

ホコリタケ科

39

コチャダイゴケ

コチャダイゴケ属

チャダイゴケ科

40

クチベニタケ

クチベニタケ属

クチベニタケ科

41

スッポンタケ

スッポンタケ属

スッポンタケ科

42

ニカワホウキタケ

ニカワホウキタケ属

アカキクラゲ科

43

オオゴムタケ

オオゴムタケ属

クロチャワンタケ科

44

クロアシボソノボリリュウタケ

ノボリリュウタケ属

ノボリリュウタケ科

45

アシボソノボリリュウタケ

ノボリリュウタケ属

ノボリリュウタケ科

46

チャワンタケの仲間

47

タケリタケ

ヒポミケス属

ニクザキン科

 

 

 

2008104

 千種町観察記録

天候:曇り
参加者:13
同定:20

 

和名

属名

科名

1

ドクササコ

カヤタケ属

キシメジ科

2

ヌメリイグチ

ヌメリイグチ属

イグチ科

3

ドクベニダマシ

ベニタケ属

ベニタケ科

4

チョウジチチタケ

チチタケ属

ベニタケ科

5

クロラッパタケ

クロラッパタケ属

アンズタケ科

6

ナギナタタケ

ナギナタタケ属

シロソウメンタケ科

7

フサヒメホウキタケ

フサヒメホウキタケ属

フサヒメホウキタケ科

8

シロカノシタ

カノシタ属

カノシタ科

9

チャカイガラタケ

チャミダレアミタケ属

サルノコシカケ科

10

ミイロアミタケ

チャミダレアミタケ属

サルノコシカケ科

11

カイガラタケ

カイガラタケ属

サルノコシカケ科

12

ウスバシハイタケ

シハイタケ属

サルノコシカケ科

13

ホコリタケ

ホコリタケ属

ホコリタケ科

14

クロホコリタケ

ホコリタケ属

ホコリタケ科

15

ヒメホコリタケ

ヒメホコリタケ属

ホコリタケ科

16

ツチグリ

ツチグリ属

ツチグリ科

17

シラタマタケ

シラタマタケ属

スッポンタケ科

18

ロクショウグサレキン

ロクショウグサレキン属

ビョウタケ科

19

クリイロチャワンタケ

チャワンタケ属

チャワンタケ科

20

ヒイロチャワンタケ

ヒイロチャワンタケ属

ピロネマキン科

 

 

 

2008105

 国見の森観察記録

天候:雨 
参加者:25
同定:19

 

和名

属名

科名

1

スギエダタケ

マツカサキノコ属

キシメジ科

2

ヒナノヒガサ属の一種

ヒナノヒガサ属

キシメジ科

3

カバイロツルタケ

テングタケ属

テングタケ科

4

ナヨタケ属の一種1

ナヨタケ属

ヒトヨタケ科

5

ナヨタケ属の一種2

ナヨタケ属

ヒトヨタケ科

6

アカツムタケ

スギタケ属

モエギタケ科

7

フウセンタケ属の一種1

フウセンタケ属

フウセンタケ科

8

フウセンタケ属の一種2

フウセンタケ属

フウセンタケ科

9

チャツムタケ

チャツムタケ属

フウセンタケ科

10

アカイボカサタケ

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

11

チョウジチチタケ

チチタケ属

ベニタケ科

12

ミキイロウスタケ

アンズタケ属

アンズタケ科

13

ヒトクチタケ

ヒトクチタケ属

サルノコシカケ科

14

ヒイロタケ

シュタケ属

サルノコシカケ科

15

カワラタケ

シロアミタケ属

サルノコシカケ科

16

サルノコシカケ科の一種

サルノコシカケ科

17

ホコリタケ

ホコリタケ属

ホコリタケ科

18

ホコリタケ属の一種

ホコリタケ属

ホコリタケ科

19

ツノマタタケ

ツノマタタケ属

アカキクラゲ科

 

写真/さんじょう、なきのこ

作成 買うとく