返信先: 種の定義
久しぶりに盛り上がった「掲示板」を拝見して嬉しく思っています。旬を過ぎていますが、コメントさせて頂きます。
MOMO さんが提示されている幾つかの「疑問」、分類【学】に携わっている者にとっては大変重要な「疑問」です。そして10数年に亘って納得できる回答に出会えていないとのことですが、今回の意見交換を契機にぜひとも自分自身で回答してみてください。
・種の違いの定義とはなんなんでしょうか?
・「種」とはなんなのでしょうか?
・AとBが別種として区別されるならば、その線引きされている根拠は何か
MOMO さんの疑問に直接回答することは出来ませんが、疑問解消のための糸口は提供できるかと思います。
1.分類するとはどういう営みであるのかを理解する
吉井 良三:洞穴から生物学へ、NHKブックス 1970年 をお読みください。特に 4 生物学の世界 が参考になるかと思います。絶版ですが、公共図書館には所蔵されていると思います。アマゾンでも古書が購入可能です。
2.『種』の定義の多様性について理解する
「採集と飼育」という雑誌で1983年から1985年にかけて多くの生物学者が「種」とは何かについて語っています。
大学図書館等で当該記事をお読みください。「種」の定義の多様性が理解できると思います。菌学者では小林義雄先生がお考えを披露しています。
余力があるならば杉山純多先生の「菌類・細菌・ウイルスの多様性と系統」にも挑戦してみてください。
上記のことを通じて自分自身で「回答」を見つけて頂ければ幸いです。
「進化論」・「中立説」・「系統進化」・「分子系統学」に関する成書、および「藻類・菌類・植物の国際命名規約」を精読されても、MOMOさんの疑問は解消されないでしょう。
分類学の本質的な事柄に疑問を持たれ、それを提示されたMOMOさんに感謝です。
Written by 天野 典英