兵庫きのこ研究会
修法ヶ原定点観察会(2005.5.15)
乾燥で4月度の観察会が芳しくなかった為、気合いを入れて臨んだものの、3月度と同じ様なフィールド環境に再度 悪戦苦闘を強いられました。 今回の目玉はキャンディーキャップ氏発見の、腐朽した松から発生していた個体で、特徴が有りながら同定に至る事が出来ずに追跡調査種となりました。(専門機関にサンプルを送付済み)
また、ミイノモミウラモドキ近縁種のイッポンシメジspが2種発見され、同定に悩まされる始末。反対に、約3年前から継続調査中のアセタケspが多くのサンプルに恵まれ、さらに
きらら女史の執念でInocybe terrigenaと同定されるなど出入りが激しくなりました。 全般的なイメージとしては「春のキノコと夏のキノコの端境期」のような時期に乾燥が重なり貧果となりました。
同定会では、特別参加された菌懇会幹事の柴田氏からニオイについてのミニ講義をして頂いたり、同定のお手伝いもして頂きました。
また、キャンディーキャップ氏からはアメリカでのシイタケを始めとするキノコ事情の説明が有りました。 参考出展としては柴田氏が持参されたジャンボサイズのサケツバタケ,大阪・枚方の高橋氏が持参されたシロフクロタケが有りました。また、のんこ女史からはベトナム旅行中に購入したキノコの本が紹介されました。
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Inocybe terrigena
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I.nocybe terrigena胞子(写真提供:きらら女史)
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I. terrigena担子器(写真提供:きらら女史)
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フクロシトネタケ子嚢(写真提供:きらら女史)
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Rhodocollybia sp(写真提供:イラチベ氏)
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Rhodocollybia sp(写真提供:イラチベ氏)
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カンゾウタケ(写真提供:買うとく氏)
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フミヅキタケ(写真提供:買うとく氏)
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同定は続く
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柴田さんのお話を聞く(写真提供:マクガイバー氏)
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あちこちから手が伸びる
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のんこさんがベトナムで入手したきのこ文献
(写真提供:マクガイバー氏) |
2005.5.15
2005年5月度 修法ヶ原定点観察会
観察会頃の天候
最高気温、最低気温ともに平年並で推移。3日前の午前中 降雨があったが、その後続いた晴天にフィールドは乾燥し、5月中旬だというのにセミが大合唱していた。
天候:曇り | 参加者:26名 | 37種同定 |
和 名 | 科 名 | 備 考 | ||
1 | スエヒロタケ | スエヒロタケ科 | ||
2 | ハマシメジ | キシメジ科 | ||
3 | ナラタケ | キシメジ科 | ||
4 | シイタケ | キシメジ科 | ||
5 | ロドコルリビア |
sp
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キシメジ科 | アカチャツエタケに似る。追跡調査中 |
6 | ベニカノアシタケ | キシメジ科 | ||
7 | キチャホウライタケ | キシメジ科 | ||
8 | ヒメカバイロタケ | キシメジ科 | ||
9 | クロコタマゴテングタケ | テングタケ科 | ||
10 | ザラエノヒトヨタケ |
?
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ヒトヨタケ科 | |
11 | フミヅキタケ | オキナタケ科 | ||
12 | イノキベ・テルリゲナ | フウセンタケ科 | 検鏡結果・肉眼的特徴・ニオイ等の総合判断による。 | |
13 | イッポンシメジ |
sp
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イッポンシメジ科 | かさ表面がやや絹糸がかっていて、かさ、柄とも比較的丈夫なもの。胞子の形はやや細い5,6角形。シメジモドキの胞子に似た形。11~14×7~9μm(検鏡結果は柴田さんのコメント) |
14 | イッポンシメジ |
sp
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イッポンシメジ科 | かさ表面につやがあって、全体的に華奢なもの。胞子の形は細長い多角形。ミイノモミウラモドキの胞子に似た形。14~16×7~9μm(検鏡結果は柴田さんのコメント) |
15 | ミイノモミウラモドキ | イッポンシメジ科 | ||
16 | ヌメリイグチ | イグチ科 | ||
17 | ニセヒメチチタケ | ベニタケ科 | ||
18 | カンゾウタケ | カンゾウタケ科 | ||
19 | ヒトクチタケ | サルノコシカケ科 | ||
20 | ヒラフスベ | サルノコシカケ科 | 老菌 去年のもの? | |
21 | オオオシロイタケ |
sp
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サルノコシカケ科 | アオゾメタケに似る |
22 | ヒメオツネンタケ | サルノコシカケ科 | ||
23 | ヒイロタケ | サルノコシカケ科 | ||
24 | カワラタケ | サルノコシカケ科 | ||
25 | カイガラタケ | サルノコシカケ科 | ||
26 | ハカワラタケ |
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サルノコシカケ科 | |
27 | チャカイガラタケ | サルノコシカケ科 | ||
28 | ヒメシロカイメンタケ | サルノコシカケ科 | ||
29 | ツガサルノコシカケ | サルノコシカケ科 | ||
30 | コフキサルノコシカケ | マンネンタケ科 | ||
31 | ホコリタケ | ホコリタケ科 | ||
32 | フクロシトネタケ | ノボリリュウタケ科 | ||
33 | ウラスジチャワンタケ | ノボリリュウタケ科 | ||
34 | カバイロサカズキタケ | ノボリリュウタケ科 | 老菌 | |
35 | キチャワンタケ | ピロネマキン科 | ||
36 | クロコブタケ | クロサイワイタケ科 | ||
37 | 不明小盤菌 | ? | 淡褐色で地上生、2油球の胞子 |
SP:属まではほぼ絞り込めるものの種の同定が出来なかったもの |
?:種の同定としてほぼ間違いないと思われるが確認し切れないもの |
仮:仮称 |
会:会称 |
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兵庫きのこ研究会(SSF-Hyogo)
SSF-Hyogo:Society for the Study of Fungus Hyogo
作成者:山上