兵庫きのこ研究会

修法ヶ原定点観察会(2006.5.21)

 
快晴!ここのところ雨ばかりでしたがこの日は雲一つなく暑くもなく寒くもなく絶好の観察日和となりました。5月は夏のきのこと春のきのこの端境期ですが、ここ数日雨が降っていたのと暖かかったのとでそこそこの結果が期待できそうでした。私を隊長とする大竜寺班のターゲットは何と言っても「カンゾウタケ」です。 梅雨時期の6月が最盛期のようですがここ数日の天候を考えればそこそこ発生している予感がします。 予感的中!やはり私たちを出迎えてくれました。ところでカンゾウタケは薄暗い常緑樹の椎林に発生します。 きのことわからない人から見れば薄暗い中の赤い物体はきっと異様で不気味に感じるのでしょうね。
さて同定台に集まったきのこを見るとはなかなかの成果だったのではないかと思います。 まずはツリズキタケ氏から食べられるきのこについての説明がありました。 「ムラサキフウセンタケが雑巾のような味で不味い!」という一言には、あの食菌王氏も「不味い!」と口をそろえて言っていました。 お二人が「不味い!」と言っているので私たちは食べなくてもいいでしょう。 このお二方には美味しいきのこ不味いきのこの新しい知見をどんどん積み重ねていただきたいですね。
興味深い話としては地下性菌ハンターの室井氏からハラタケ類の形をした腹菌類についての談義がありました。 海外では見つかっているのに日本ではなぜか見つからないようです。 会員のかたでそれらしいのものを見つけましたら大事に採取して室井氏までご一報ください。「WANTED!」です。 今回採取した中にイグチ科やテングタケ科のきのこもありました。ぼちぼち菌根菌のシーズンですのでこれから忙しくなりそうです。                   (文:幸徳氏)

同定風景
同定風景
同定風景(写真提供:KIMATA氏)
同定風景(写真提供:KIMATA氏)
ヒメムキタケ
カンゾウタケ
ヒメムキタケ(写真提供:買うとく氏)
カンゾウタケ(写真提供:買うとく氏
ムラサキフウセンタケ
フミヅキタケ
ムラサキフウセンタケ
フミヅキタケ
楽しく昼食
並んだキノコ
楽しく昼食
並んだキノコ
ハマシメジ
ニセヒメチチタケ
ハマシメジ
ニセヒメチチタケ
マツオウジ
クロコタマゴテングタケ
マツオウジ(写真提供:買うとく氏
クロコタマゴテングタケ


2006.5.21

2006年5月度 修法ヶ原定点観察会

 

観察日前の天候、気温

 
天候
最高気温(平年)
最低気温(平年)
6日前
晴れ
21.1(22.9)
12.9(15.5)
5日前
曇り
19.2(23.0)
16.2(15.5)
4日前
18.5(23.1)
16.8(15.6)
3日前
曇り
23.0(23.2)
15.7(15.7)
2日前
21.8(23.3)
18.2(15.8)
前日
曇りのち晴れ
23.7(23.5)
20.8(15.9)

天候:晴れ 参加者:22名 48種同定

5月10日頃より神戸市内の園芸種のツツジが満開を迎える

  和 名 科 名 備 考
1 マツオウジ   ヒラタケ科→サルノコシカケ科  
2 スエヒロタケ   スエヒロタケ科  
3 オオキツネタケ   キシメジ科→ヒドナンギウム科  
4 キツネタケ
sp
キシメジ科→ヒドナンギウム科  
5 カキシメジ   キシメジ科  
6 ハマシメジ   キシメジ科  
7 モリノカレバタケ
sp
キシメジ科 アマタケ節
8 モリノカレバタケ
sp
キシメジ科 エセオリミキ?
9 ヒメムキタケ   キシメジ科→ヒラタケ科  
10 スジオチバタケ   キシメジ科→ホウライタケ科  
11 クヌギタケ
sp
キシメジ科  
12 キチャホウライタケ   キシメジ科  
13 ヒメカバイロタケ   キシメジ科  
14 クロコタマゴテングタケ   テングタケ科→ウラベニガサ科  
15 クロタマゴテングタケ   テングタケ科→ウラベニガサ科  
16 ウラベニガサ   ウラベニガサ科  
17 ウスキモリノカサ   ハラタケ科  
18 ヒトヨタケ   ヒトヨタケ科  
19 ヒトヨタケ
sp
ヒトヨタケ科 ザラエノヒトヨタケ亜節
20 フミヅキタケ   オキナタケ科  
21 ウスムラサキフウセンタケ   フウセンタケ科  
22 フウセンタケ
sp
フウセンタケ科 トビチャニセフウセンタケ節
23 ササタケ   フウセンタケ科  
24 ミイノモミウラモドキ   イッポンシメジ科  
25 アミタケ   イグチ科→ヌメリイグチ科  
26 カラムラサキハツ   ベニタケ科  
27 ニセヒメチチタケ   ベニタケ科  
28 カレエダタケモドキ
カレエダタケ科  
29 マツカサタケ   マツカサタケ科  
30 サガリハリタケ
コウヤクタケ科→フウリンタケ科  
31 ツガサルノコシカケ   サルノコシカケ科→ツガサルノコシカケ科  
32 カミウロコタケ
ウロコタケ科→マクカワタケ科  
33 ウスバシハイタケ   サルノコシカケ科  
34 ヒイロタケ   サルノコシカケ科  
35 カワラタケ   サルノコシカケ科  
36 アミスギタケ   サルノコシカケ科  
37 ヒトクチタケ   サルノコシカケ科  
38 ニクウスバタケ   サルノコシカケ→ニクハリタケ科  
39 ツチグリ   ツチグリ科→ニセショウロ科  
40 サンコタケ   アカカゴタケ科→スッポンタケ科  
41 コガネニカワタケ   シロキクラゲ科  
42 ハナビラニカワタケ   シロキクラゲ科  
43 タマキクラゲ   ヒメキクラゲ科  
44 キクラゲ   キクラゲ科  
45 オオゴムタケ   クロチャワンタケ科  
46 ウラスジチャワンタケ   ノボリリュウタケ科  
47 チャコブタケ   クロサイワイタケ科  
48 マメホコリ   ドロホコリ科  

SP:属まではほぼ絞り込めるものの種の同定が出来なかったもの
 ?:種の同定としてほぼ間違いないと思われるが確認し切れないもの
 仮:仮称
 会:会称

  学名につきましては「キノコ写真データーベースの学名一覧」を参照して下さい  

    観察会記録の印刷はこちら(エクセルで作成)

兵庫きのこ研究会(SSF-Hyogo)
SSF-Hyogo:Society for the Study of Fungus Hyogo
作成者:山上