兵庫きのこ研究会

修法ヶ原定点観察会(2009.3.15)

 

クロハナビラタケ?

ハナビワニカワタケ?

いやクロハナビラニカワタケです

 

 

 

前日の雨も上がり、すごくいい天気。春を待ちかねた人達がたくさん集まり出発。

春の使者トガリアミガサタケ。椿の根元にはツバキキンカクチャワンタケ。

 

 

硬質菌ばかりが多いのかと思いきやカラムラサキハツ・コゲイロサカズキホウライタケ・アクニオイタケ・コゲチャクサカレハタケ・キチャワンタケ・フクロシトネタケ・ホコリタケ・コガネニカワタケ・キクラゲいろいろなど38種。暖冬のせいか去年より随分たくさん出ていた。

 

 

カラムラサキハツをクチュクチュしてわーーーっ辛い。とか

 

ツガサルノコシカケの見分け方解かりますか?涙を浮かべているんですよ。

誰かがあれは冷や汗かいているんだよ。ッて  ウスムラサキ色の表面にふわーっつと浮いてキラキラしてた滴が色あせて思えてガッカリ。幼菌が大きくなろうとドンドン樹液を吸い上げる為余った水分が表面に浮く現象だそうです。

 

 

伐採された松の木に赤いキノコ。ヒトクチタケ・・・・?赤く染まっている。朱色ヒトクチタケや桃色ヒトクチタケやと言ながら採取。これは松の木を枯らすマツノザイセンチュウの殺虫剤が散布されいてる為、赤く染まっている事が解かった。

 

 

有毒のクロハナビラタケ、乾燥してパリパリのクロハナビラニカワタケはとても似ている。今日のクロハナビラニカワタケはよく降った雨で色抜けしてハナビラニカワタケみたいな色をしている。クロハナビラ二カワタケは光が透けて見える、幼菌は黒色。

梅やマンサクの花も咲いている。これからはキノコの季節、今年もきれいなキノコに出会えるように頑張ろう。 (みむママ)  

                    

 

 

 

 

 

 

 

 

2009314

 修法ヶ原観察記録

天候:晴れ
参加者:21
同定:38

 

和名

属名

科名

1

コゲチャクサカレハタケ

モリノカレバタケ属

キシメジ科

2

アクニオイタケ

クヌギタケ属

キシメジ科

3

センボンクヌギタケ

クヌギタケ属

キシメジ科

4

クヌギタケ属の一種

クヌギタケ属

キシメジ科

5

シイタケ

シイタケ属

キシメジ科

6

コゲイロサカズキホウライタケ

シロホウライタケ属

キシメジ科

7

マツカサキノコモドキ

マツカサキノコ属

キシメジ科

8

スギカワタケ(仮)

スギカワタケ属(仮)

キシメジ科

9

ニガクリタケ

クリタケ属

モエギタケ科

10

イッポンシメジ属の一種1

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

11

イッポンシメジ属の一種2

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

12

カラムラサキハツ

ベニタケ属

ベニタケ科

13

ヒトクチタケ

ヒトクチタケ属

サルノコシカケ科

14

チャカイガラタケ

チャミダレアミタケ属

サルノコシカケ科

15

ミイロアミタケ

チャミダレアミタケ属

サルノコシカケ科

16

カイガラタケ

カイガラタケ属

サルノコシカケ科

17

ウチワタケ

ツヤウチワタケ属

サルノコシカケ科

18

ヒイロタケ

シュタケ属

サルノコシカケ科

19

カワラタケ

シロアミタケ属

サルノコシカケ科

20

ニクウスバタケ

ニカワオシロイタケ属

サルノコシカケ科

21

キカイガラタケ近縁種

キカイガラタケ属

サルノコシカケ科

22

サルノコシカケ科の一種1

?属

サルノコシカケ科

23

ツガサルノコシカケ

ツガサルノコシカケ属

サルノコシカケ科

24

ネンドタケモドキ

キコブタケ属

タバコウロコタケ科

25

ホコリタケ属の一種

ホコリタケ属

ホコリタケ科

26

ツチグリ

ツチグリ属

ツチグリ科

27

クロハナビラニカワタケ

シロキクラゲ属

シロキクラゲ科

28

コガネニカワタケ

シロキクラゲ属

シロキクラゲ科

29

キクラゲ

キクラゲ属

キクラゲ科

30

ヒメキクラゲ

ヒメキクラゲ属

ヒメキクラゲ科

31

タマキクラゲ

ヒメキクラゲ属

ヒメキクラゲ科

32

ツチダンゴの一種?

ツチダンゴキン属

ツチダンゴキン科

33

ツバキキンカクチャワンタケ

ニセキンカクキン属

キンカクキン科

34

クロハナビラタケ

クロムラサキハナビラタケ属

ズキンタケ科

35

トガリアミガサタケ

アミガサタケ属

アミガサタケ科

36

フクロシトネタケ

シトネタケ属

ノボリリュウタケ科

37

キチャワンタケ近縁種

キチャワンタケ属

ピロネマキン科

38

クロコブタケ

ヒポキシロン属

クロサイワイタケ科

 

 

 

 

6 コゲイロサカズキホウライタケ Marasmiellus foetidus (Sowerby) Antonín, Halling & Noordel. 
 シイの腐朽木上に群生するキノコ。名部光男・みち代氏によって日本新産種として報告され、上記の和名が提唱された。詳しくは「名部光男・みち代. 2008. 日本菌学会会報49121-124」を参照。

8 スギカワタケ(仮) Gloiocephala cryptomeriae Nagasawa (ad inter.)
 「青木実. 日本きのこ図版 No.292,1155. 日本きのこ同好会」に掲載されているキノコ。学名に関しては暫定であるが菌じん研究所の長沢先生にご教示いただいた。スギシロホウライタケ(池田良幸著北陸のきのこ図鑑 No.186)は同一種。

10 イッポンシメジ属の一種1 Entoloma sp.
 
現地では、アカマツの腐朽木上に群生し、ヒダが紅色を帯びていたことからウラベニガサ属と同定。しかし、胞子を観察した結果、角ばった胞子が観察されイッポンシメジ属と判明。傘は淡オリーブ色、柄は淡橙色である。腐朽木に群生するという生態からイッポシメジ属としては異質のキノコと思われる。
 20063月の観察記録でウラベニガサ属spとしたキノコと同一種。

11 イッポンシメジ属の一種2  Entoloma sp.
 小型で全体が黒いキノコで、とりあえず現地ではイッポンシメジ属?と同定。胞子を観察した結果、イッポンシメジ属とまではわかったが種の同定まではいたらず。コキイロウラベニタケに似る。

21 キカイガラタケ近縁種 Gloeophyllum aff. sepiarium (Wulfen) P. Karst.
 
現地でサルノコシカケ科spとしたキノコ。外観的形態とシスチジアの形状からキカイガラタケのように思われるが、ヒロハノキカイガラタケの可能性もあるため上記のように同定した。

37 キチャワンタケ近縁種  Caloscypha aff. fulgens (Pers.) Boud.
 
全体が黄色で、一部緑変する性質においてはキチャワンタケによく似ている。キチャワンタケはモミ林樹下に発生するが、本種はスギ林樹下に発生する。また、本種はキチャワンタケと比べると、成菌の大きさ、幼菌の形状、肉質(本種はかなり脆弱)において違いが見られ、発生環境も違うことを考えると別種と思われる。

 

 

6 コゲイロサカズキホウライタケ

 

 

10 イッポンシメジ属の一種1

10 イッポンシメジ属の一種1

 

 

10 イッポンシメジ属の一種その胞子

11 イッポンシメジ属の一種2

 

 

 

11 イッポンシメジ属の一種2その胞子

 

 

22 サルノコシカケ科の一種1

 

22 サルノコシカケ科の一種1

 

 

21 キカイガラタケ近縁種

 

 

21 キカイガラタケ近縁種

 

21 キカイガラタケ近縁種の側シスチジア

 

 

28 コガネニカワタケ(色抜け)

34 クロハナビラタケ

 

 

37 キチャワンタケ近縁種

 

文 みむママ

写真 さんじょう、みむママ、買うとく

作成 買うとく