兵庫きのこ研究会

修法ヶ原定点観察会(2009.7.19)

 

定点史上最高の採取記録!!

157種ものきのこに苦しめられる会員たち

 

 

 

 

今回は現在の高速道路事情に不満ありのアルパチーノさんと定点隊長の談話です

アルパチーノ

高速道路料金が1000円と騒いでいますが、わたしは全く恩恵をうけないばかりか高速道路の渋滞で迷惑を被るだけです。 瀬田西ICから西宮ICの区間(名神と中国道)は大都市近郊区間のため1000円料金の除外区間のため、滋賀県から六甲山再公園に行くときには全く関係ないのです。

定点隊長

いつも遠いところからご苦労さまです。

 

アルパチーノ

19日の観察会は、石山ICから宝塚ICまで60キロメートル余りを2時間かかり、滋賀県石山の自宅を8時前に出発したのに再び公園の駐車場に着いたのは11時過ぎでした。この時点でがっくり!!

定点隊長

観察会は10時スタートですから、11時ではすでにみなさんは集合場所からは遠いところにいるので合流するのは難しいかもしれませんね。せっかく遠いところから来ているのに1人とはちょっと寂しくなりますよね。

 

アルパチーノ

でも蒸し暑い中、たくさんの参加者がいて盛況でしたね。 きのこもかなりたくさん採集されており、ビックリしました。

定点隊長

 そうですね。なんと言っても今回は157種と過去最高記録で、私もびっくりしました。同定するのもいつもより相当時間がかかり、さすがに疲れました。

 

アルパチーノ

その上、きのこの同定の最中に、75歳のかたが倒れ救急車を呼ぶハプニングがあり大変でした。幸いその方は意識も回復し、救急車には乗らず親切なおじさんが自宅まで送っていったので無事だったようです。

定点隊長

このときは本当にびっくりしましたね。その後については特に報告は受けていませんが、でも無事でよかったです。

 

アルパチーノ

採集されたきのこはかなりの種類にのぼると思いますが、ハプニングのためよく見ていません。

ちなみに合宿の際、日吉の森にきのこが出るか心配です。

定点隊長

今回は同定に時間がかかったこととハプニングがあったせいで、解説があまりできず申し訳ありませんでした。そのせいで、きのこをあまりじっくり見られなかったかもしれませんね。8月はしっかり解説をしたいと思っています。

今年はきのこのあたり年の予感がします。おそらく合宿も大丈夫でしょう。

でも、きのこが少ないときのために夜の宴会はしっかりとお願いしますね。

 

 

今回はイグチとテングタケの解説のみですいません。

テングタケの解説はいつものように呑みむら氏にやっていただきました。

 

 

 

2009719

 修法ヶ原観察記録

天候:曇り 
参加者:28
同定:157

 

和名

属名

科名

1

マツオウジ

マツオウジ属

ヒラタケ科

2

トキイロヒラタケ

ヒラタケ属

ヒラタケ科

3

アカヤマタケ

アカヤマタケ属

ヌメリガサ科

4

ベニヒガサ

アカヤマタケ属

ヌメリガサ科

5

ウラムラサキ

キツネタケ属

キシメジ科

6

カレバキツネタケ

キツネタケ属

キシメジ科

7

ヤグラタケ

ヤグラタケ属

キシメジ科

8

コノハシメジ

キシメジ属

キシメジ科

9

キヒダマツシメジ

キシメジ属

キシメジ科

10

ミネアカゲシメジ

キシメジ属

キシメジ科

11

アマタケ

モリノカレバタケ属

キシメジ科

12

クロニセホウライタケ?

ニセホウライタケ属

キシメジ科

13

ヒメカバイロタケ

ヒメカバイロタケ属

キシメジ科

14

サカズキホウライタケ?

サカズキホウライタケ属

キシメジ科

15

マツカサキノコモドキ

マツカサキノコ属

キシメジ科

16

ダイダイガサ

ダイダイガサ属

キシメジ科

17

ガンタケ

テングタケ属

テングタケ科

18

ヘビキノコモドキ

テングタケ属

テングタケ科

19

クロコタマゴテングタケ

テングタケ属

テングタケ科

20

コタマゴテングタケ

テングタケ属

テングタケ科

21

アカハテングタケ

テングタケ属

テングタケ科

22

タマゴタケ

テングタケ属

テングタケ科

23

コテングタケモドキ

テングタケ属

テングタケ科

24

タマゴタケモドキ

テングタケ属

テングタケ科

25

カバイロツルタケ

テングタケ属

テングタケ科

26

ツルタケ

テングタケ属

テングタケ科

27

イボテングタケ

テングタケ属

テングタケ科

28

ヒメコナカブリツルタケ

テングタケ属

テングタケ科

29

ニオイドクツルタケ

テングタケ属

テングタケ科

30

シロテングタケ

テングタケ属

テングタケ科

31

フクロツルタケ

テングタケ属

テングタケ科

32

オオオニテングタケ

テングタケ属

テングタケ科

33

コトヒラシロテングタケ

テングタケ属

テングタケ科

34

シロオニタケ

テングタケ属

テングタケ科

35

ハイイロオニタケ

テングタケ属

テングタケ科

36

テングタケ属の一種

テングタケ属

テングタケ科

37

カサヒダタケ

ウラベニガサ属

ウラベニガサ科

38

アカキツネガサ

シロカラカサタケ属

ハラタケ科

39

オニタケ

キツネノカラカサ属

ハラタケ科

40

ナヨタケ属の一種

ナヨタケ属

ヒトヨタケ科

41

キイロアセタケ

アセタケ属

フウセンタケ科

42

アセタケ属の一種1

アセタケ属

フウセンタケ科

43

アセタケ属の一種2

アセタケ属

フウセンタケ科

44

ウスムラサキフウセンタケ近縁種

フウセンタケ属

フウセンタケ科

45

カワムラフウセンタケ?

フウセンタケ属

フウセンタケ科

46

フウセンタケ属の一種

フウセンタケ属

フウセンタケ科

47

チャツムタケ属の一種

チャツムタケ属

フウセンタケ科

48

アカタケ近縁種

フウセンタケ属

フウセンタケ科

49

ムツノウラベニタケ属の一種?

ムツノウラベニタケ属?

イッポンシメジ科

50

アカイボカサタケ

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

51

コキイロウラベニタケ

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

52

コンイロイッポンシメジ

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

53

シロイボカサタケ

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

54

ダイダイウラベニタケ

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

55

ヒメシロウラベニタケ

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

56

イッポンシメジ属の一種1

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

57

イッポンシメジ属の一種2

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

58

イチョウタケ

ヒダハタケ属

ヒダハタケ科

59

ニワタケ

ヒダハタケ属

ヒダハタケ科

60

サケバタケ

ヒダハタケ属

ヒダハタケ科

61

ビロードクリイロイグチ

クリイロイグチ属

イグチ科

62

チチアワタケ

ヌメリイグチ属

イグチ科

63

クロツブヌメリイグチ

ヌメリイグチ属

イグチ科

64

オニイグチモドキ

オニイグチ属

イグチ科

65

オニイグチ属の一種

オニイグチ属

イグチ科

66

クリカワヤシャイグチ

ヤシャイグチ属

イグチ科

67

オオヤシャイグチ

ヤシャイグチ属

イグチ科

68

キクバナイグチ

キクバナイグチ属

イグチ科

69

ミヤマベニイグチ

キクバナイグチ属

イグチ科

70

マルミノアヤメイグチ

キクバナイグチ属

イグチ科

71

セイタカイグチ

キクバナイグチ属

イグチ科

72

ベニイグチ

ベニイグチ属

イグチ科

73

キイロイグチ

キイロイグチ属

イグチ科

74

ヌメリコウジタケ

ヌメリコウジタケ属

イグチ科

75

キヒダタケ

キヒダタケ属

イグチ科

76

オリエンタリスキヒダタケ(兵)

キヒダタケ属

イグチ科

77

ヒメアワタケ

イグチ属

イグチ科

78

クロアザアワタケ

イグチ属

イグチ科

79

ツブエノウラベニイグチ

イグチ属

イグチ科

80

ヒメコウジタケ

イグチ属

イグチ科

81

ダイダイイグチ

イグチ属

イグチ科

82

ニセアシベニイグチ

イグチ属

イグチ科

83

アシベニイロガワリ(仮)

イグチ属

イグチ科

84

アメリカウラベニイロガワリ

イグチ属

イグチ科

85

ススケヤマドリタケ

イグチ属

イグチ科

86

ヤマドリタケモドキ

イグチ属

イグチ科

87

キアシヤマドリタケ

イグチ属

イグチ科

88

ヨゴレキアミアイシグチ?

イグチ属

イグチ科

89

イグチ属の一種

イグチ属

イグチ科

90

キアミアシイグチ?

キアミアシイグチ属

イグチ科

91

クロアワタケ

キアミアシイグチ属

イグチ科

92

キニガイグチ

キニガイグチ属

イグチ科

93

ミドリニガイグチ

ニガイグチ属

イグチ科

94

ウラグロニガイグチ

ニガイグチ属

イグチ科

95

ホオベニシロアシイグチ

ニガイグチ属

イグチ科

96

アシボソニガイグチ

ニガイグチ属

イグチ科

97

クリイロニガイグチ

ニガイグチ属

イグチ科

98

チャニガイグチ

ニガイグチ属

イグチ科

99

ニガイグチモドキ

ニガイグチ属

イグチ科

100

ニガイグチモドキ近縁種

ニガイグチ属

イグチ科

101

マツノフモトニガイグチ(兵)

ニガイグチ属

イグチ科

102

ダイリュウジノコニガイグチ(兵)

ニガイグチ属

イグチ科

103

クロニガイグチ

クロイグチ属

イグチ科

104

アカヤマドリ

ヤマイグチ属

イグチ科

105

カレバハツ

ベニタケ属

ベニタケ科

106

ニセクサハツ

ベニタケ属

ベニタケ科

107

クロハツ

ベニタケ属

ベニタケ科

108

クロハツモドキ?

ベニタケ属

ベニタケ科

109

シロハツモドキ

ベニタケ属

ベニタケ科

110

ドクベニタケ

ベニタケ属

ベニタケ科

111

ニシキタケ

ベニタケ属

ベニタケ科

112

アイタケ

ベニタケ属

ベニタケ科

113

ウコンハツ

ベニタケ属

ベニタケ科

114

ウスムラサキハツ

ベニタケ属

ベニタケ科

115

ケショウハツ

ベニタケ属

ベニタケ科

116

ヤブレベニタケ

ベニタケ属

ベニタケ科

117

ムラサキハツ?

ベニタケ属

ベニタケ科

118

ヒロハウスズミチチタケ

チチタケ属

ベニタケ科

119

チチタケ

チチタケ属

ベニタケ科

120

ヒロハチチタケ

チチタケ属

ベニタケ科

121

アカハツ

チチタケ属

ベニタケ科

122

ハツタケ

チチタケ属

ベニタケ科

123

ニオイワチチタケ

チチタケ属

ベニタケ科

124

モチゲチチタケ

チチタケ属

ベニタケ科

125

チチタケ属の一種

チチタケ属

ベニタケ科

126

ウスイロカラチチタケ?

チチタケ属

ベニタケ科

127

ベニウスタケ

アンズタケ属

アンズタケ科

128

アンズタケ属の一種1

アンズタケ属

アンズタケ科

129

アンズタケ属の一種2

アンズタケ属

アンズタケ科

130

ヒナアンズタケ

アンズタケ属

アンズタケ科

131

フサヒメホウキタケ

フサヒメホウキタケ属

フサヒメホウキタケ科

132

ホウキタケ属の一種

ホウキタケ属

ホウキタケ科

133

ウスタケ

ラッパタケ属

ラッパタケ科

134

フジウスタケ

ラッパタケ属

ラッパタケ科

135

チャウロコタケ

キウロコタケ属

ウロコタケ科

136

オガサワラハリヒラタケ

オガサワラハリヒラタケ属

イドタケ科

137

モミジタケ

イボタケ属

イボタケ科

138

ツブイボタケ

イボタケ属

イボタケ科

139

コウモリタケ

ニンギョウタケモドキ属

ニンギョウタケモドキ科

140

アシグロタケ近縁種

タマチョレイタケ属

サルノコシカケ科

141

ニッケイタケ

オツネンタケ属

タバコウロコタケ科

142

アミウズタケ?

オツネンタケ属

タバコウロコタケ科

143

ネンドタケモドキ

キコブタケ属

タバコウロコタケ科

144

ヒメツチグリ属の一種

ヒメツチグリ属

ヒメツチグリ科

145

ホコリタケ属の一種

ホコリタケ属

ホコリタケ科

146

セイタカノウタケ

ホコリタケ属

ホコリタケ科

147

ヒヨドリノアカダマタケ(兵)

アカダマタケ属

メラノガステル科

148

オオショウロ

ショウロ属

ショウロ科

149

ヒメカタショウロ

ニセショウロ属

ニセショウロ科

150

ヨツデタケ

カニノツメ属

スッポンタケ科

151

サンコタケ

サンコタケ属

スッポンタケ科

152

アオゾメクロツブタケ属の一種

アオゾメクロツブタケ属

ヒメノガステル科

153

アラゲキクラゲ

キクラゲ属

キクラゲ科

154

ニセキンカクアカビョウタケ

ディケファロスポラ属

キンカクキン科

155

ズキンタケ

ズキンタケ属

ズキンタケ科

156

ナガエノチャワンタケ

ノボリリュウタケ属

ノボリリュウタケ科

157

シロスズメノワン

シロスズメノワン属

ピロネマキン科

 

 

 

 

8 コノハシメジ Tricholoma foliicola Har. Takah.                                 同定/幸徳伸也
 
定点観察会初記録。アカマツ林樹下の落ち葉上に発生。カキシメジに似ているが、ヒダが極めて密である点で異なり、キシメジ属にしては脆い。
 新種として報告した高橋春樹氏は、本種をキシメジ属に置いたが暫定的であると述べている。本種は腐生性と思われる生態のため、菌根性のキシメジ属としては異質であることがその理由である。コノハシメジの和名は青木実氏の命名であるが、氏も当初はキシメジ属に置いていたが、日本きのこ検索図版において、本種の所属をムラサキシメジ属に改めている。所属位置の難しいきのこでDNA鑑定の結果が待たれる。
 県内でも報告は少ないが、地味なきのこであるため見過ごされている可能性が高い。

9 キヒダマツシメジ Tricholoma fulvum (Bull.) Sacc.                   同定/幸徳伸也
 
定点観察会初記録。カキシメジに似るがヒダが黄色い。
 マツシメジという名前であるがブナ科樹下に発生する。

10 ミネアカゲシメジ Tricholoma rubrobrunneum Miyauchi (ad inter.) 
 
当会でノミムラシメジと呼んでいるキシメジ属のキノコで、柑橘臭と橙色のヒダが特徴である。
 正式な報告はされていないため、学名は今のところ暫定である。
 クロアザアカシメジ(北陸のきのこ図鑑No.106)とは匂い以外の特徴はよく一致する。

11 アマタケ Gymnopus confluens (Pers.) Antonín, Halling & Noordel.        同定/幸徳伸也
 
先月の記録でアマタケ近縁種と記録したキノコ。本種はアカマツ林の地上に発生する。アマタケは国内の文献では広葉樹林内地上に発生すると記載されているが、海外の文献を見ると広葉樹及び針葉樹と記載されている。よって近縁種とする理由がなくなったため上記のように同定した。

12 クロニセホウライタケ? Crinipellis corvina Har. Takah. ?               同定/幸徳伸也
 
傘、柄ともに黒い毛羽立った小型のキノコ。広葉樹の枯れ枝に発生。
 肉眼的にはクロニセホウライタケに酷似しているが、現地にてサンプルを紛失し、顕微鏡的な特徴を調べることができなかったため疑問符を付した。

29 ニオイドクツルタケ Amanita oberwinklerana Zhu L. Yang & Yoshim. Doi      同定/幸徳伸也
 
ドクツルタケに非常によく似ているキノコ。本種は3%KOHを滴下しても黄変しないこと、胞子が楕円形であることがドクツルタケとの違いである。
 ニオイドクツルタケ(青木図版No.1075)とAmanita oberwinkleranaは同一種であることが指摘されている。そのため、和名もニオイドクツルタケを採用した。

37 カサヒダタケ Pluteus thomsonii (Berk. & Broome) Dennis              同定/幸徳伸也
 
定点観察会初記録。アカマツの材上より2個体発生。

44 ウスムラサキフウセンタケ近縁種 Cortinarius aff. subalboviolaceus Hongo     同定/幸徳伸也
 
先月、ウスムラサキフウセンタケ近縁種と同定したキノコと同一種。

54 ダイダイウラベニタケ Entoloma farlowii (Sing.) Hesler                 同定/幸徳伸也
 
定点観察会初記録。オレンジ色で小さく、一目見たときはアカヤマタケ属菌と思わせるが、胞子が多角形でイッポンシメジ属のキノコである。1個体のみの採取であった。

55 ヒメシロウラベニタケ Entoloma [ Rhodophyllus chamaecyparidis Hongo ]    同定/幸徳伸也
 
定点観察会初記録。白い小型のキノコでチャヒラタケ属のように見えるが、胞子は多角形で、またわずかに柄がある。大竜寺方面のモミ、カシ、コナラの混じる林の斜面にて発生。

58 イチョウタケ Tapinella panuoides (Batsch) E.-J. Gilbert               同定/山上公人
 
現地ではヒダハタケと誤って記録されていたキノコ。その後サケバタケかイチョウタケとの議論があったがヒダのちじれ具合が小さいためイチョウタケと同定した。

63 クロツブヌメリイグチ Sullius sp.                              同定/幸徳伸也
 
柄に強い粘性があり、ヒメヌメリイグチによく似ているキノコである。しかし、傘には粘性はないことと柄にツバはない点で異なる。採取したサンプルは傘の径が1cm前後とかなり小型で、イグチの中でもかなり小さい部類である。
 クロツブヌメリイグチ(青木図版No1374)とは同一種と思われるため、その和名を採用した。

76 オリエンタリスキヒダタケ(兵) Phylloporus orientalis Corner var. orientalis    同定/幸徳伸也
 
全体が赤いキヒダタケ属のキノコ。変種のbreisporusとは胞子の大きさとシスチジアの大きさで区別されている。
 オリエンタリスキヒダタケは兵庫きのこ研究会の仮称である。

77 ヒメアワタケ Boletus parvulus (Hongo) Har. Takah.                  同定/幸徳伸也
 
採取したサンプルを調べたところ、厚膜のシスチジアと広楕円形の胞子が確認されたことから上記のように同定。

83 アシベニイロガワリ(仮) Boletus sp.                           同定/山上公人
 
雰囲気はニセアシベニイグチに似ているが、青変性が強く柄部はやや強靭である。
 名前は幼菌の会の正井俊郎氏の仮称。

87 キアシヤマドリタケ Boletus auripes Peck                        同定/幸徳伸也
 
従来コガネヤマドリとされているきのこは橙色タイプと黄色タイプの2種含まれている。コガネヤマドリと呼ばれているのは一般的に橙色タイプのことを指しているが、橙色タイプの学名はBoletus aurantiosplendensを当てるのが正しく、またBoletus auripesは黄色タイプのものに当てられるべきであると指摘されている。黄色タイプのものに新しい和名をつける必要性があるが、キアシヤマドリタケ(北陸のきのこ図鑑No.764)とは同一種であると思われるため、その和名を採用した。

88 ヨゴレキアミアシイグチ? Boletus sinapicolor  f. japonicus Hongo ?        同定/山上公人
 
顕微鏡的特徴、外観的特徴がほぼ一致するが、柄部の網目と幼菌の塞がれた孔口が気になるので?とした。

90 キアミアシイグチ? Retiboletus ornatipes (Peck) Manfr. Binder & Bresinsky ? 同定/山上公人
 
顕微鏡的特徴、外観的特徴がほぼ一致するが、柄部の菌糸束の色が黄色いのが気になるので?とした。

91 クロアワタケ Retiboletus griseus (Frost) Manfr. Binder & Bresinsky
 イグチ属Boletusのキアミアシイグチとクロアワタケ、ニガイグチ属Tylopilusのモエギアミアシイグチの3種は、最近新しく新設されたRetiboletusキアミアシイグチ属に編入された。

97 クリイロニガイグチ Tylopilus castanoides Har. Takah.               同定/幸徳伸也
 
夏場になるとブナ科樹下の林内でよく見かける全体が栗色のイグチ。ニガイグチ属の中では苦味は弱いほうで、幼菌では明らかに苦味を感じるが、成菌では苦味をあまり感じない。
 本種はフモトニガイグチTylopilus alutaceoumbrinusと呼ばれていることもあるが、フモトニガイグチの胞子の大きさは8.5-11×3-3.5μmで、本種の胞子は、10-14×3.5-4.5μmと異なる。クリイロニガイグチの胞子の大きさは9-11(-13)×3.5-4μmとクリイロニガイグチのほうが近く、また肉眼的特徴も合致しているので上記のように同定した。フモトニガイグチとの異同に関しては検討を要する。

101 マツノフモトニガイグチ(兵) Tylopilus sp.                      同定/幸徳伸也
 
全体がこげ茶色のニガイグチ属のキノコ。成菌になると傘の色は退色し、ベージュ色となる。管孔は傷をつけると褐変する。アカマツの樹下で発生が見られ、マツと菌根を形成していると思われる。 
 
2006年7月に「フモトニガイグチ」、2008年8月に「ニガイグチ属の一種」と同定したきのことは同一種。
 マツノフモトニガイグチは兵庫きのこ研究会の仮称で、命名は幸徳。

102 ダイリュウジノコニガイグチ(兵) Tylopilus sp.                   同定/幸徳伸也
 傘・柄ともに黄土色〜淡褐色、柄の上半部には網目があり、胞子の大きさは8.5-11×4-4.5μm、シイ・カシ林樹下に発生。外観的な特徴はコニガイグチに類似するが、コニガイグチとは胞子の大きさ11-16×3.5-5μm、アカマツ樹下に発生する点において異なる。キツムアシナガニガイグチ(北陸のきのこ図鑑No.825)とは同様に胞子の大きさ、発生環境の点において異なる。(コニガイグチとキツムアシナガニガイグチは同一種の可能性がある。)
 2006年7月の定点観察会において記録からは漏れているが、同様の個体が採取されている。
 ダイリュウジノコニガイグチは兵庫きのこ研究会の仮称で、命名は幸徳。

103 クロニガイグチ Tylopilus nigropurpureus (Corner) Hongo       同定/幸徳伸也
 
定点観察会初記録。大竜寺方面のシイ・カシ林地上にて発生。2007年8月にニガイグチ属の一種としたキノコはおそらくクロニガイグチと思われる。

114 ウスムラサキハツ Russula lilacea Quél.                        同定/幸徳伸也
 
定点観察会初記録。その名の通り、傘の色が薄い紫色のベニタケ属のキノコである。柄の基部は一般的には細くなる傾向がある。大竜寺方面のシイ・カシ林地上にて採取。

117 ムラサキハツ? Russula atropurpurea (Krombh.) Britzelm. ?           同定/山上公人
 
傘の色がきれいな紫色のベニタケ属のキノコ。ムラサキハツに似ているが、顕微鏡的な特徴を調べていないため上記のように同定した。

136 オガサワラハリヒラタケ Gyrodontium versicolor (Berk. & Broome) Maas Geest. 
 
新鮮な個体を採取。2008年8月にはじめて採取されたキノコである。

142 アミウズタケ? Coltricia montagnei var. montagnei (Fr.) Murrill?
 傘の裏が管孔状であり、形態的な特徴からアミウズタケの可能性がある。幼菌1個体の採取であったため疑問符をつけた。

146 セイタカノウタケ Lycoperdon excipuliforme (Scop.) Pers.            同定/折原貴道
 定点観察会初記録。現地ではセイタカノウタケ?と同定し、鳥取大学の折原貴道氏に鑑定を依頼したところ、セイタカノウタケで良いとのお返事をいただいた。

147 ヒヨドリノアカダマタケ(兵) Melanogaster sp.                      同定/山上公人
 
アカダマタケに比べ明らかに胞子が小さく長さ8〜11(12)程度。成熟した匂いはアカダマキヌガサタケのグレバ臭に近い。
兵庫県の瀬戸内側で産し、アカダマタケと同定されている種は本種と思われる。研究者による正式な発表が期待される。
 ヒヨドリノアカダマタケは兵庫きのこ研究会の仮称で、命名は山上。

149 ヒメカタショウロ Scleroderma areolatum Ehrenb.                 同定/大前宗之
 
現地ではニセショウロspとして仮同定したが、サンプルを持ち帰り調べたところ、胞子の大きさが10μm〜でトゲ状、子実体にははっきりとした偽柄、偽根があるという特徴からヒメカタショウロと思われる。

152 アオゾメクロツブタケ属の一種 Chamonixia sp.           同定/折原貴道 採取/大前宗之
 胞子の形状からHebeloma(一部Cortinarius)の地下生菌である、Hymenogaster属ではないかと思れたが、鳥取大学の折原貴道氏に鑑定を依頼したところ、ヤマイグチ属と近縁なアオゾメクロツブタケ属Chamonixiaの地下生菌であることが判明した。
 日本ではアオゾメクロツブタケ属のキノコは、アオゾメクロツブタケChamonixia mucosaの1種のみ報告がある。本種はアオゾメクロツブタケのような著しい青変性はないが、擦ると若干の青変性が認められる。胞子は長径20-24μmで、この属で特徴的な翼(よく)を数本付けている(横断面を見ると分かりやすい)。発生は稀。

 

2 トキイロヒラタケ

 

8 コノハシメジ

 

9 キヒダマツシメジ

 

10 ミネアカゲシメジ

 

12 クロニセホウライタケ?

 

29 ニオイドクツルタケ

 

37 カサヒダタケ

 

49 ムツノウラベニタケ属の一種?

 

52 コンイロイッポンシメジ

 

54 ダイダイウラベニタケ

 

55 ヒメシロウラベニタケ

 

58 イチョウタケ

 

63 クロツブヌメリイグチ

 

76 オリエンタリスキヒダタケ(兵)

 

77 ヒメアワタケ

 

77 ヒメアワタケの厚膜シスチジアと胞子

 

 

87 キアシヤマドリタケ

 

90 キアミアシイグチ?

 

97 クリイロニガイグチ

 

101 マツノフモトニガイグチ(兵)

 

102 ダイリュウジノコニガイグチ(兵)

 

102 ダイリュウジノコニガイグチ(兵)

 

103 クロニガイグチ

 

111 ニシキタケ

 

114 ウスムラサキハツ

 

117 ムラサキハツ?

 

124 モチゲチチタケ

 

136 オガサワラハリヒラタケ

 

142 アミウズタケ?

 

146 セイタカノウタケ

 

147 ヒヨドリノアカダマタケ(兵)

 

148 オオショウロ

 

149 ヒメカタショウロ

 

149 ヒメカタショウロの胞子

 

152アオゾメクロツブタケ属の一種

 

152アオゾメクロツブタケ属の一種

 

152アオゾメクロツブタケ属の一種の断面

 

152アオゾメクロツブタケ属の一種の断面

 

152アオゾメクロツブタケ属の一種の胞子

 

152アオゾメクロツブタケ属の一種の胞子

 

 

 

文 アルパチーノ、定点隊長

写真 山上、KIMATA、O前、なきのこ、買うとく

作成 買うとく