兵庫きのこ研究会

修法ヶ原定点観察会(2009.9.20)

 

 

コウヤクタケは地味ですがこんなきれいなものもありますよ

愛すべきコウヤクタケ!アイコウヤクタケ

 

 

本日は、新入会員の方が2名参加されました。

昨年から御影高校の生徒さんたちにきのこの観察会をしています。先週も観察会をやったのですが、きのこが非常に少なく、今回そのリベンジということで、担当のK井先生と2名の生徒さんたちが参加されました。

さらに、体調を崩されて久しく参加されていなかった長老こと当会の会員番号No.001T崎さんがひさしぶりに参加されました。調べてみると2007年3月以来の出席です。

と結局総勢30名を超える参加者となり賑やかとなりました。

ということで今回の報告を終わりしたいのですが・・・・やっぱりきのこに触れないと駄目ですよね。

 

「1人1つは傘のあるきのこを採取してきてください。採取するまでには帰ってきては駄目です」

と参加者にムチを打ちました。

というのは硬質菌だけが並ぶという同定台での悪夢がよぎったからです。

こんなに最悪なフィールドは過去になかったのではないでしょうか。7、8月は洪水が起こるぐらいだったのに9月はまれに見る干ばつ。地面を見ればかなり乾燥していることがよくわかりました。

 

きのこを見たい人は少しでも水気のある洞川湖周辺へと向かいましたが、私と五岳氏、Y崎氏の大竜寺班はこんなときでも大竜寺コースへ向かいます。KIMATA氏、I口女史もいっしょでした。大竜寺の入り口にてバスに乗り遅れた10時には間に合わなかったN澤女史も途中で合流しました。

しかし、ないですねきのこ。採取できるのは硬質菌ぐらいです。しかし、大竜寺班は1人1つは採取傘のあるきのこを採取することができ、無事昼食会場に帰還することができました。

 

採取されたきのこを見ると38種で硬質菌が半分以上を占めました。柔らかいきのこもほとんど乾燥していて硬くなって原型がよくわかないものが多数です。悲惨ですね。

でも、こういうときは硬質菌に注目しましょう。採取されたきのこにアイコウヤクタケがありました。独特の青色がきれいですね。コウヤクタケの中では一番興味がわくキノコだと思います。

 

10月はきのこ狩りのシーズンです。

雨よ降れ〜

 

 

 

 

 

 

 

2009920

修法ヶ原観察記録

天候:晴れ
参加者:29
同定:38

 

和名

属名

科名

1

マツオウジ

マツオウジ属

ヒラタケ科

2

ヒメカバイロタケ

ヒメカバイロタケ属

キシメジ科

3

チシオタケ

クヌギタケ属

キシメジ科

4

シイタケ

シイタケ属

キシメジ科

5

フクロツルタケ

テングタケ属

テングタケ科

6

ベニヒダタケ?

ウラベニガサ属

ウラベニガサ科

7

ナカグロモリノカサ

ハラタケ属

ハラタケ科

8

ヒトヨタケ属の一種

ヒトヨタケ属

ヒトヨタケ科

9

ナヨタケ属の一種

ナヨタケ属

ヒトヨタケ科

10

ニガクリタケ

クリタケ属

モエギタケ科

11

サザナミツバフウセンタケ近縁種

フウセンタケ属

フウセンタケ科

12

チャツムタケ

チャツムタケ属

フウセンタケ科

13

ケショウハツ

ベニタケ属

ベニタケ科

14

フサヒメホウキタケ

フサヒメホウキタケ属

フサヒメホウキタケ科

15

フジウスタケ

ラッパタケ属

ラッパタケ科

16

アイコウヤクタケ

アイコウヤクタケ属

コウヤクタケ科

17

コウヤクタケ科の一種

コウヤクタケ科

18

チャウロコタケ

キウロコタケ属

ウロコタケ科

19

クシノハシワタケ

クシノハシワタケ属

ウロコタケ科

20

ウラギンタケ

センベイタケ属

サルノコシカケ科

21

ヒトクチタケ

ヒトクチタケ属

サルノコシカケ科

22

チャカイガラタケ

チャミダレアミタケ属

サルノコシカケ科

23

カイガラタケ

カイガラタケ属

サルノコシカケ科

24

ウチワタケ

ツヤウチワタケ属

サルノコシカケ科

25

ツヤウチワタケ

ツヤウチワタケ属

サルノコシカケ科

26

アシグロタケ近縁種

タマチョレイタケ属

サルノコシカケ科

27

カワラタケ

シロアミタケ属

サルノコシカケ科

28

ハカワラタケ

シハイタケ属

サルノコシカケ科

29

オシロイタケ近縁種

オシロイタケ属

サルノコシカケ科

30

アオゾメタケ

ポスティア属

サルノコシカケ科

31

ツガサルノコシカケ

ツガサルノコシカケ属

サルノコシカケ科

32

サルノコシカケ科の一種

サルノコシカケ科

33

サルノコシカケ科の一種?

サルノコシカケ科?

34

ワヒダタケ

ワヒダタケ属

タバコウロコタケ科

35

マツノタバコウロコタケ

タバコウロコタケ属

タバコウロコタケ科

36

ネンドタケモドキ

キコブタケ属

タバコウロコタケ科

37

ヒメツチグリ属の一種?

ヒメツチグリ属?

ヒメツチグリ科?

38

ツチグリ

ツチグリ属

ツチグリ科

 

 

 

 

19 クシノハシワタケ Lopharia cinerascens (Schwein.) G. Cunn.          同定/幸徳
 定点初記録。
 採取されたサンプルはほとんど背着性で、傘は形成されていない。広葉樹の枯れ木に発生。子実層面は不規則な歯状で、時に同心円状となり、縁付近では歯状ではなくわずかに網目状となるときもある。顕微鏡的には厚膜で結晶が付着する剛毛体が存在するのが特徴である。白色腐朽菌。
 定点初記録であるが、過去にも普通に発生していたと思われる。

35 マツノタバコウロコタケ Hymenochaete yasudai Imazeki             同定/幸徳
 定点初記録。現地ではコウヤクタケ科の一種と同定されていたキノコ。 
 ほとんど背着性で、子実層面は黄褐色〜焦茶色、アカマツの枯れ木から発生する。顕微鏡的には厚膜の剛毛体と凸凹した細い糸状体が存在するのが特徴である。白色腐朽菌。
 定点初記録であるが、過去にも普通に発生していたと思われる。

 

 

16 アイコウヤクタケ

 

17 コウヤクタケ科の一種

19 クシノハシワタケ

19 クシノハシワタケのシスチジア

 

32 サルノコシカケ科の一種

32 サルノコシカケ科の一種の裏面

 

35 マツノタバコウロコタケ

35 マツノタバコウロコタケの剛毛体と糸状体

 

 

文 買うとく

写真 KIMATA、買うとく

作成 買うとく