兵庫きのこ研究会は2022年4月から1年間、神戸新聞朝刊のコラム「切り抜き帳連載」の連載「ひょうごのキノコ」に、記事と写真の提供で協力しました。この連載は2023年3月に好評のうちに終了しましたが、諸事情でコラムに掲載されなかった3記事をご紹介します。

ハナホウキタケ(花箒茸)

■森のサンゴ  [秋]

森に生えるサンゴのような美しいきのこ。だが、バラにはトゲがあるように、このきのこには毒がある。毒成分は分かっていないが、誤食すると下痢や腹痛・嘔吐に苦しむ。しかし、一部の地域では毒抜きをして食べているようだ。ただし、プロの技術なので、素人は安易に試さない方が良い。鑑賞用に皆さんも探してみてはいかがだろうか。
(文・写真 山本悠生)

ハナホウキタケ

コツチグリ(小土栗)

■色が可愛ければブローチになりそう  [秋〜春]

伸縮するヒトデのような外皮を拡げても直径は3センチほどの可愛いキノコ。別種のツチグリよりかなり小さくて外皮の割れた片数も多い。アカマツ林などの樹下で見つかるが、六甲山系では比較的珍しいキノコだ。内皮の先端に穴があり、雨滴が当たるとそこから煙のように胞子が飛び出す。ツチグリの幼菌は食べられるが、本種については不明。
(文・河合祐介 写真・撮影者不詳)

コツチグリ

タケリタケキン(猛茸菌)

■子供連れ、微妙なカップル、ご用心  [春〜秋]

結論から言おう。見た目がずばり猛々しく立った男性器。標本にしてどこぞの秘宝館に展示して頂きたい珍品である。ただ、これはキノコそのものでは無くテングタケ属などのキノコに寄生する菌で、それにより成長の阻害されたキノコの成れの果ての姿なのである。茶褐色の粒々に覆われたアレが地面から生えていたら恐らくこいつだ!
(文・写真 ねぎこ)

タケリタケキン