兵庫きのこ研究会 修法ヶ原定点観察会(2014.3.16)

今年最初の定点。参加者も多くとても賑やかな観察会となりました。
毎年生える場所からトガリアミガサタケが生えていたので期待いっぱいで山にむかったのですが、
採取できたきのこが少なく少し寂しい結果になりましたね〜。

春はまだ遠し

おじいちゃんと孫?

トガリアミガサタケの芽生え

意外と珍菌? コゲイロサカズキホウライタケ

珍しく? 表皮が裂開したスクレロガステル属の1種

春キノコの定番入り「ハルノウラベニタケ」

高校生はのんびり

解説中

寂しい同定台

2014年3月16日 観察記録

天候:晴れ 参加者:29名+見学1名+御影5名
和名 属名(新分類/旧分類) 科名(新分類/旧分類)
1 キヒラタケ キヒラタケ属 フサタケ科/ヒラタケ科
2 ヒラタケ ヒラタケ属 ヒラタケ科
3 コゲイロサカズキホウライタケ サカズキホウライタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
4 シイタケ シイタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
5 マツカサキノコモドキ マツカサキノコ属 タマバリタケ科/キシメジ科
6 ヒメカバイロタケ ヒメカバイロタケ属 クヌギタケ科/キシメジ科
7 アシボソイヌシメジ カヤタケ属 キシメジ科
8 ハルノウラベニタケ ヒカゲウラベニタケ属 イッポンシメジ科
9 ニガクリタケ ニガクリタケ属 モエギタケ科
10 チャウロコタケ キウロコタケ属 ウロコタケ科
11 ニクウスバタケ ニカワオシロイタケ属 マクカワタケ科/サルノコシカケ科
12 ヒトクチタケ ヒトクチタケ属 タマチョレイタケ科
13 ヒイロタケ シュタケ属 タマチョレイタケ科
14 カワラタケ シロアミタケ属 タマチョレイタケ科
15 カイガラタケ カイガラタケ属 タマチョレイタケ科
16 チャカイガラタケ チャミダレアミタケ属 タマチョレイタケ科
17 アナタケの仲間 アナタケ属 カワラタケ科
18 ツチグリ ツチグリ属 ディプロシスティス科/ツチグリ科
19 スクレロガステル属の一種 スクレロガステル属 スクレロガステル科
20 アラゲキクラゲ キクラゲ属 キクラゲ科
21 キクラゲ キクラゲ属 キクラゲ科
22 タマキクラゲ ヒメキクラゲ属 キクラゲ科/ヒメキクラゲ科
23 ヒメキクラゲ ヒメキクラゲ属 キクラゲ科/ヒメキクラゲ科
24 モモイロダクリオキン アカキクラゲ属 アカキクラゲ科
25 ツバキキンカキチャワンタケ ニセキンカクキン属 キンカクキン科
26 トガリアミガサタケ アミガサタケ属 アミガサタケ科
27 キチャワンタケ(広義) キチャワンタケ属 キチャワンタケ科/ピロネマキン科
28 クロコブタケ クロコブタケ属/ヒポキシロン属 クロサイワイタケ科

7 アシボソイヌシメジ Clitocybe sp.

同定/幸徳
 本種の大きな特徴は、柄の基部に紐状の菌糸束があり、ヒダが垂生し、傘の色が白色〜汚白色〜帯褐色、小型であり、春に発生することである。上記の特徴から、アシボソイヌシメジ(日本きのこ図版 No. 1073)の特徴とよく一致する。本種の傘は汚白色〜灰色であり、検討も要するが、暫定的にアシボソイヌシメジと同定した。

27 キチャワンタケ(広義) Caloscypha fulgens (Pers.:Fr.) Boudier s. l.

同定/大前
 春先に針葉樹の樹下に発生するチャワン型のキノコ。針葉樹に寄生する植物病原菌として知られ、北半球全域に広く分布する。 修法ヶ原では青変性が極めて弱く、子実体が小型・脆弱で、早春のスギ林に発生するタイプと、青変性が強く、大型で4〜5月にモミ林に発生するタイプが採集されている。 最近、本種は分子系統学的にいくつかのグループに分かれることが判明していることから、これらは将来的に別種として扱われる可能性がある。
<参考文献>
Pfister D.H. et al. 2013. The Caloscyphaceae (Pezizomycetes, Ascomycota), with a new genus. Mycological Progress 12: 667-674
アシボソイヌシメジ
アシボソイヌシメジ(裏)
アシボソイヌシメジ
アシボソイヌシメジ(表)
キチャワンタケ
キチャワンタケ(スギ林タイプ)